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2006年10月13日

料理小説 2

「洋平、ワイン頼んでもいい?」
「うん。俺ももらおうかな。これ、ホントに普通の葡萄だよね。」
 洋平はなにもなかったように答えた。彼にはあの光が見えなかったようだ。でも確かに一瞬ものすごい光に包まれたのだ。ふと、まわりを見まわす。 カウンターの私たちの隣には50代くらいだろうか、仲の
よさそうな夫婦がエスプレッソを飲んでいる。後ろのテーブルには、2・3組ほどだ。
「いかがいたしました? 白ワイングラスですね、そうですね・・・、ゲヴェルツ・トラミネールはいかがでしょう。」  品の良さそうなその彼はにっこりと微笑んだ。背筋にひやっと冷たいものを感じる。最近私が好きで良く頼むワインだが、個性が強いので、グラスで置いている店は少ないだろう。しかも新しくあけてくれるようだ。何かが、おかしい・・。ふとシェフと目が合う、さっきの彼とは対照的な冷ややかな目だ。

投稿者 clos_staff : 2006年10月13日 14:51

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